これが運命だと言うのなら
決して切れることのない
絶対的な繋がりがほしい
どうか
どうか
不可視の絆は永遠に
ここはバルスブルグ教会。
今日も今日とて、司教試験へと向けて受験生たちが勉学や訓練に励んでいた。
そんな中、午前中はルームメイトのハクレンと図書館で調べ物をしていたテイトは、昼食後、一人で裏庭まで来ていた。
歩きながら周囲を見渡しても、誰もいない。
「・・・ここにも、いないのか?」
テイトはそう呟いて溜息を零した。
わざわざハクレンと別行動をとってまでテイトがこんなところへ来たのには理由がある。
探している人物がいるのだ。
それはこの教会内でも有名で、しかも大勢の人の中にあっても尚、一際目立つ身長と容姿をしていた。だからすぐに見つかるはずだと思ったのだが・・・。
「ったく、いったい何処でサボってやがんだ。あんのエロ司教・・・!」
言葉は悪態そのものだが、その翡翠の瞳は微かに揺れていた。
違う場所へと探しに行こうかと踵を返しかけたテイトだったが、不意に視界の端に僅かに映った純白に、ハッと目を見張った。
「あ・・・!」
人気の無い木陰に、金色の探し人を見つけた。
名を呼ぼうと口を開きかけたテイトだったが、何かに気付いて咄嗟に口を両手で押さえた。
そして、他よりも一回り大きな樹に背を凭れさせて座り込んでいるその青年の元へと、ゆっくりとできるだけ足音を立てないようにして近づいていく。
その長い足を投げ出して座り込んでいる青年の傍らで足を止めたテイトは、その場にしゃがみ込んだ。
そうして、微かな風に吹かれて揺れる金の髪を持つその青年の顔を、そっと覗きこむ。
テイトは一度だけ瞬きをして・・・
「・・・・寝てる?」
そう、小さく呟いた。
テイトの視線の先には、青空のように澄んだ蒼い瞳を今はその瞼の奥に隠して、浅い寝息を繰り返しながら眠っているフラウの姿があった。真っ白な司教服が草木によく映える。
優しく照らす木漏れ日が、彼を常になくとても清楚で神聖なもののように、テイトの目に映した。
ズキン、と 何故か小さな痛みが胸を突く。
「・・・っ」
しょっちゅうエロ司教だとかクソ司教だとか言っているテイトだから、危うく失念してしまうことがある。
フラウは、紛れもなく“司教様”なのだということ。
そして、この地を、人々を守る・・・“セブンゴースト”なのだということ。
知っている。分かっている。理解、している。
でも、時々不安になる。
だから・・・
目に見える形で・・・二人を繋ぐ 何か がほしい。
「・・・フラウ・・・」
テイトはフラウの手をそっと持ち上げると、その手袋をゆっくりと取り外した。
冷たい、手。
一瞬だけ眉を寄せたテイトは、ポケットから一本の細い糸を取り出し、フラウのその小指に慎重に巻きつけた。
きゅっ、と結び終えてからフラウの手を地に下ろし、その小指に絡められているものと同じ糸を、今度は自分の小指に巻きつけた。
そうしてテイトは、その糸を見つめながら小さく息をついた。
――その直後だ。
突然、テイトの腕が強い力で引っ張られてしまったのは。
「わっ!?」
反射的に声をあげたテイト。しかし、勢い良く倒れこんだ先にあったのは、真っ白な司教服。
優しく力強い・・・フラウの腕の中に、テイトはすっぽりと収まっていた。
目を丸くしているテイトの上から、低い・・・だけど耳に心地良い声色が聞こえた。
「なーにやってんだ?クソガキ」
「ふ・・・フラウ?」
見上げれば、そこには澄んだ蒼い瞳がテイトを真っ直ぐに見つめていた。
テイトはなんとなく気まずげに上目遣いでフラウを見遣った。それは、彼が眠っている隙に内緒事をしてしまっていたからだろう。
別に怒られるようなことをしたつもりはないが、それでも堂々とするには躊躇してしまうこと。もちろん、そうした理由をも聞かれたら・・・素直に言える自信がテイトには無かった。
「・・・いつから起きてたんだ?」
「んー?いつからだと思う?」
ニヤニヤと笑うその顔を見て、あぁ 最初からお見通しだったんだな、と内心でテイトは溜息をついた。
しかし、それも当然のことなのだろう。フラウは強い。気配にも当たり前のように敏感で、これだけ接近した挙句に手に触れていろいろされれば、目を覚まさない方がおかしい。
逆の立場であったなら自分だって気付いてる、とテイトは思った。
それならば、何故?
・・・気付かれても構わなかった。
いや、むしろ・・・気付いてほしかったのかもしれない。
「・・・・」
「どうした?クソガキ」
黙ったまま俯いてしまったテイトの、その小さな頭に手を乗せようと持ち上げたフラウの手が、中途半端なところでピタリ、と止まった。
指に糸状のものを巻きつけられたという自覚はあったが、テイトの様子の方にこそ気を取られていたフラウは、そこで初めて自分の小指へと視線を落とした。
そして、軽く目を見開く。
フラウとテイトの小指を繋ぐ、一本の細い・・・真紅の糸。
「これ・・・」
「・・・っ、ガキだって思うならそう言えばいいだろ!」
些か驚いたようなフラウの呟きを、どう感じたのか、テイトは真っ赤に染めたその顔をあげてキッ、とフラウを睨みつけた。
二人の小指を繋ぐ赤い糸。
それは、いわゆる『運命の赤い糸』と呼ばれるもの。
テイトの手が下に垂れているため、短めの糸とで繋がれているフラウの手も上へは持ち上がらない。もちろん強引に持ち上げることもできるが、そこまでする必要は無い。
フラウは睨みつけてくるテイトの頭に、糸で繋がってはいない方の手で触れて、優しく撫でるように髪を梳いた。
「一体どうしたんだ?何かあったのか?」
「・・・・」
「別にガキっぽい事してるとか思ってねえし。だから、言えよ」
「・・・・・った・・・」
「ん?」
小さくてよく聞き取れなかったフラウは、テイトの声がよく聞こえるように、そっと身を屈めて耳を傾けた。
相変わらず俯いたままのテイトは、それでも今度はフラウにちゃんと聞こえるように、言った。
「・・・ほしかったんだ・・・」
気休めかもしれない。
自己満足かもしれない。
それでも・・・
「こんな爆弾付きの首輪なんかじゃなくて・・・」
もっと優しい、心が温かくなるような・・・そんな甘い楔。
身も心も、決して傷付けることのない。
「オレとフラウを繋いでいる・・・そのたしかな証が・・・」
どうしても、ほしかった。
「・・・テイト」
「なぁ、『運命の赤い糸』って、知ってるか?」
「ああ」
偶然、図書館に紛れ込んでいた恋愛小説を見つけて、何気なく読んでみた。その作中で出てきていたのが、恋人たちを繋ぐ『運命の赤い糸』。
赤い糸で結ばれている二人は、絶対に離れることはない。ずっと、傍にいられるのだと。
そうして売店で見かけた赤い糸を、気付いた時には思わず買ってしまっていた。
「こんなすぐ切れちまいそうな糸一本繋いだところで・・・本当はなんの効果もないってことくらい、オレだって分かってる」
「でも、お前はオレのところに来て・・・こうして赤い糸で繋いだ」
「・・・っ、だから気休めだっつってんだろ!」
「それでも・・・」
フラウは、自分と糸で繋がっているテイトのその小さな手をとると、互いの指を絡めて持ち上げた。
口元に持っていき、テイトの小指に巻きついている赤い糸に、触れるだけのキスを落とす。
「ふ、フラウ・・・!」
「オレは、嬉しかったんだぜ?」
「・・・え?」
頬をうっすらと赤く染める、その可愛い反応にフラウは小さく笑みを浮かべると、今度はテイトの小指の付け根にそっと舌を這わせた。
途端にピクリ、と震えるテイトの身体。
「お前は知らねえだろうがな・・・いつだってオレはお前を手放したくはねえと思ってんだぜ」
「・・・・」
「出来ることなら、この腕の中に閉じ込めて・・・その綺麗な魂をオレだけのものにして、その清らかな身体に絶え間なく触れていたい」
「っ、フラウ!」
指を舌で丹念に舐められながら、もう片方の手で腰の輪郭をなぞるように触れられる。
テイトはますます顔を赤くして、思わず声をあげた。
だけど・・・
「死ぬまで・・・死んでも ずっと傍にいたい」
真摯な眼差しで言われたその台詞に、テイトは翡翠の瞳を大きく見開いて、フラウをじっと見つめた。
そこには、司教だとか、守り神だとか・・・そんな肩書きを思わせるものなど微塵もなくて。
たった一人の愛する者だけを想い求める、一途な人間の男だった。
「フラウ・・・オレも・・・放してほしく、ない・・・っ」
テイトの声が、微かに震える。視界が滲む。
目の奥が酷く熱くて・・・テイトは思わず きゅっと目を閉じた。
「・・・ぅ、っ」
「テイト・・・泣くな」
テイトの頬を伝う雫を、フラウは自らの舌で舐めとると、そのままその薄い唇にそっと自分のそれを触れ合わせた。
軽く押し付け、何度も啄むようなキスを与える。
「・・・ん、んっ・・・」
くすぐったいのか、テイトは小さく声をあげると、ゆっくりと目を開いた。
涙に濡れた翡翠の瞳。その美しさの前では、どんな宝石すらも色褪せて見えてしまうことだろう。
「・・・しょっぱい」
「涙だからな」
「ヘンなの・・・別に悲しいわけでも、痛いわけでもないのに」
どうして、涙が溢れて止まらないのだろう。
胸が締め付けられるように苦しいのは、何故。
熱が疼いて・・・堪らない。
「・・・フラウ・・・」
「っ、お前・・・そんな顔で見るんじゃねえよ・・・!」
「え・・・えっ?」
フラウの言っている意味が分からなくて小首を傾げたテイトは、しかし途端に思い切り抱きしめられ、さらには口付けを仕掛けられた。
「んっ・・・ぅ、んん・・・っ!」
先ほどの触れるだけのものとは違い、全てを奪うかのような荒々しいキス。
不慣れなテイトは息苦しさから、酸素を求めて口を開いた。すると、酸素と共にぬるついた感触も口内に入ってきて、テイトは眉を寄せた。
侵入してきたフラウの舌が無遠慮にテイトの口内を這い回り、そして奥の方で縮こまっていた小さな舌を絡めとる。
「ふぁ・・・っ、ぅん・・・」
ぴちゃぴちゃ、と濡れた水音がダイレクトに耳に響き、テイトは思わず耳を塞ぎたくなった。
しかし、赤い糸で繋がれたままの片手はキツク指を絡められており、もう片方の手はフラウの真っ白な司教服を握り締めていた。
襲いくる快楽の波に呑まれないように、必死に耐えるように。
テイトはフラウの膝に腰掛けている状態で、しかも向かい合わせで抱きしめられているため、彼が手を放してくれない限りはどうにも動けない。
きっとここが、せめてフラウの寝室だったならテイトはこのまま気持ちのままに、愛しい腕に身を委ねてしまえただろう。
だが・・・
「ん・・・ぁ、だめ・・・っ、ここ・・・外・・・!」
そう、失念してはいけない。ここは人気がほとんど無いとはいえ、紛れもない野外なのだ。しかも、今はまだ日も高い真昼間。いつ誰がこの場に現われてもおかしくはない。
唇を放された合間に、テイトはなんとかフラウを制止しようとした。
これ以上熱が高まってしまえば・・・止めることなど本当にできなくなる。
「ちょっ、止め・・・っ」
「無理」
「なっ、無理じゃなくて・・・・ひ、あっ!?」
だが、突然フラウに下半身の中心を手で押さえつけられせいで、思わず高い声をあげてしまった。
テイトは羞恥に顔を真っ赤に染めた。
さっきとはまた違った意味で涙が出てきそうになる。
「ここ、キスだけでもうこんなにしてんのに・・・お前こそ止められたら困るだろ?」
「っ・・・こんの、エロ司教・・・!!」
「くっくっ、今回ばかりは褒め言葉として受け取っておくぜ」
「褒めてね・・・っ、あ、んんッ!」
「ほぅら・・・硬くなった」
「ぅ・・・あ、ふっ・・・」
衣服の中に手を差し込まれ、躊躇無く自身を握りこまれた。
テイトはなんとか声を抑えようと唇を噛み締めたが、それもフラウの優しい口付けにより、やんわりと解かれる。
「・・・唇、傷付いちまうだろ?」
「ん・・・ぁ・・・」
行為は強引なのに・・・やっぱりフラウはどこまでも優しくて。
それが、とても温かくて。テイトは言われるままに唇を噛み締めることをしなくなった。
でも、だからといって絶え間なく口から漏れてしまう声をどうしかしたいという気持ちが薄れることはなく、テイトはほとんど無意識にフラウの肩越しに顔を埋めて、その司教服に食いついた。
「ん、んっ・・・んぁ・・・」
そんなテイトの可愛い行動に、フラウは小さく笑みを浮かべると、テイトのまだ幼い性器を握りこんだ手を上下に動かした。
その度にテイトの口からは甘い吐息と共に小さな喘ぎ声が漏れ、それをフラウの司教服を噛むことで抑えている。
耳元にかかるテイトの熱い吐息にフラウも煽られ、次第に手の動きを強く激しくしていくと、テイトの腰が無意識に揺れ始めた。
「気持ち良いんだな・・・腰、揺れてるぜ?」
「・・・っ、言うな・・・ふぁ・・・んんっ」
「そうは言っても・・・ホラ、見ろよ。お前の、先走りで濡れてるぜ」
「やッ・・・!」
縋りついていたテイトの身体を僅かに離したフラウは、テイト自身がよく見えるように手を動かした。
思わず視線を向けてしまったテイトは、その先の光景に、瞬時に耳まで茹蛸のように真っ赤に染めた。
自分の性器が、フラウの手に擦られていやらしい蜜を溢れさせている。
フラウが手を動かす度に、クチュクチュと恥ずかしい音が耳に届いて、テイトはそれを振り払うように頭を強く振った。
その乱れる栗色の髪が、木漏れ日に反射してより艶やかにフラウに魅せるのだった。
「あっ、ん・・・はぁ・・・!」
身体を離されたままのテイトは司教服を噛み締めることができずに、その口からは甘い声が紡ぎ出される。
二人の間では淫らな水音が絶え間なく響き、テイトはもう何がなんだか分からなくなってきてしまう。
ただ、冷たいはずのフラウの手が、とてつもなく熱くて堪らない。そして、そのことが・・・酷く嬉しい。
「は、ぁ・・・フラ・・ウ・・・っ、あぅ・・・!」
「・・・テイト」
テイトの目尻に溜まっていた生理的な涙が、ポロリ、と零れ落ちる。
性器を扱く手の動きは止めないまま、フラウはその綺麗な様に見惚れていた。名を呼べば、テイトの碧の瞳がそっと開かれ、自分の姿を映し出す。
「お前って、ホント・・・」
「ぁ、ふ・・・、んっ・・・あッ」
「可愛いなぁ・・・」
「な、に・・・言って・・・ひゃっ・・・ぁ、んッ!」
テイト自身の先端の窪みを指先で抉るように引っ掻けば、蜜はより溢れ出てきて、それは性器を伝って後方へと流れ落ちていく。
何度も強弱をつけて擦り、たまに先端に爪を立てる。
「あっ、もぅ・・・だ、めっ・・・、ふら、う・・・ッ」
「いいぜ・・・イケよ」
「・・・っ、あ、あっ・・・ん、ああ――ッ!!」
一際強く性器を擦り上げた瞬間、テイトは高い声をあげて熱を吐き出した。
ビクビク、と足が痙攣し、テイトの全身からは力が一気に抜けてフラウの胸に倒れこんだ。
荒い息を繰り返すテイトの髪に、フラウは優しいキスを落とす。
「大丈夫か?テイト」
「・・・だめって、言ったのに・・・」
「でも、気持ち良かったろ?」
そう言って、テイトの吐き出したその白い蜜で濡れた手を、自分の口元へ持っていき舌で舐めとったフラウ。
それを見た途端にテイトは、ボン!と火を噴く勢いで全身を真っ赤に染めた。
「〜〜〜っ、馬鹿!」
あまりの恥ずかしさに、激しく居た堪れない。
悪態をついたテイトだが、フラウの身体にしがみ付きながらでは、はっきり言って効果のほどは全く無いに等しい。
フラウは目を細めると、先ほどの射精の余韻でテイトがぐったりとしている隙に、その漆黒の喪服に手をかけ少しずつ、だけど確実に乱していく。
「んっ・・・フラウ?」
それまでしがみ付いていたテイトは、ようやく違和感に気付き、そっとフラウの顔を窺った。
フラウはそんなテイトに笑みを浮かべると、その赤く染まった頬にキスを落とした。
ちゅ、と音が鳴り、その感触にもテイトの身体はピクリと小さく反応した。
「少し、身体離して・・・」
「?」
二人の距離が僅かに開くと、フラウはテイトの首筋にキツク吸い付き所有印を刻む。
その微かな痛みにテイトは眉を顰めた。
「ん・・・なに?」
「安心しろ。お前はオレに身を委ねていればいい」
「フラウ?・・・っ、おい!?」
テイトの肌蹴た胸元に顔を埋めたフラウは、舌で素肌をなぞり、片方の胸の飾りを数回舐め上げてからパクリ、と口に含んで吸い付いた。
「ひっ、ああッ!!」
ちゅうちゅう、と何度も胸の突起を吸われ、テイトは声をあげながらもフラウの肩を押しやった。
しかし片手は赤い糸で繋がれ中、片腕だけではとてもじゃないけどフラウの体躯を押し返すことなどできるはずもない。
しかも、絶え間なく与えられる愛撫にテイトの身体はビクビクと震え、たまに甘噛みされると一際高い喘ぎ声がその口から零れ出した。
「あ、ん・・・っ、や・・・噛む、な・・・!」
「なんで?」
「はぁっ、ん・・・ちょっ、しゃべる、な・・・」
「あぁ、歯が当たって・・・感じるんだな。気持ち良いだろ?こうされると・・・」
そう言って突起に強めに歯を立てて、その先端に舌を這わせた。
痛みと快楽が同時に押し寄せて、テイトはその背を大きく逸らした。そうすることで、より胸をフラウへと押し付ける体勢になってしまう。
「ひゃ、あんッ・・・!」
ゾクゾクとした感覚が背筋を駆け上がり、浅く乱れた呼吸を繰り返すテイト。
もう片方の突起にも舌を這わせ存分に味わってから、フラウはようやくテイトの胸から顔を離した。
安堵の息をつくテイトの唇にキスをし、すぐにそれを舌を絡める深いものへと変えていく。
「ん、んっ・・・んん・・・」
テイトがキスに夢中になっている隙に、フラウはテイトの下半身にまだ纏わりついていた衣服を完全に取り払った。
上半身の衣服はすでに大きく肌蹴られ、下半身は下着すらも身に着けていない状態のテイト。
胸元はフラウの唾液で、再び頭を持ち上がらせているテイト自身は彼の精液で、ぬるぬるとしていやらしいほどに濡れていた。
だが、それが太陽の光を浴びることで、酷く扇情的で、それでいて美しく映えていた。
フラウは唇を離すと、そのテイトの姿を見つめて思わず喉を鳴らした。
「あー・・・ヤベェ」
「? ・・・フラウ?」
「テイト。悪ィ・・・本気で止めれそうにねェ」
「え?あ・・・、ッ!?」
深いキスの余韻にぼぅ、としていたテイトだったが、フラウの視線の先・・・ほとんど衣服を身に着けていないような自らの状態に、思わず絶句してしまった。
フラウはそんなテイトに構うことなく、濡れた幼い性器からねっとりと精液を指に絡めとると、そのさらに奥にある蕾へと手を伸ばした。
きつく閉ざされた後孔に精液を絡めた指を這わせると、途端にテイトの身体が強張った。
「やっ、ふら、う・・・そこ、だめ・・・!」
「大丈夫だ」
「で、でも・・・っ」
「テイト・・・オレはお前を傷付けたりはしない」
「あ・・・」
「だから・・・大丈夫だ」
揺れる翡翠の瞳を真っ直ぐに見つめ、安心させるように微笑みながらフラウがそう言えば、テイトは頬を赤く染めて小さくコクリと頷いた。
フラウの膝を跨いで震える足で膝立ちになったテイトは、片手はフラウと赤い糸で繋がったまま、そしてもう片方の手をフラウの首に回してしがみ付いた。
後孔の入り口に精液を塗るようして指でなぞり、そしてフラウの長い指がゆっくりとテイトの中へと差し込まれた。
「あっ・・・あっ・・・」
「ゆっくり解かしていくから・・・慣れるまで我慢してくれよ」
「ん・・・」
たった一本とはいえ、テイトの狭い内部にフラウの指はやはりキツイのだろう。異物感と圧迫感にテイトは顔を顰めた。
それなのに、フラウの言葉に素直に頷くその姿は本当に愛おしくて堪らない。
テイトを感情のままにめちゃくちゃにしたい気持ちはたしかにある。でも、それ以上にフラウはテイトを傷付けたくはなかった。
その身体も、心も・・・なによりも大切に、大事にしたい。
「ぁ、ふ・・・あ、んん・・・っ」
慎重に、丹念に内部を解かしていく。フラウの指が3本になる頃には、テイトのその口からは痛みを全く感じさせない甘い喘ぎ声だけが零れていた。
見つけたテイトの快楽のポイントを集中的に強く突けば、一際高い声が断続的にあがった。
「ひっ、あっ・・・ああッ、やぁっ・・・!」
「良い締め付けだな・・・そんなに良いのか?指がどんどん奥に吸い込まれていくぜ?」
「あッ・・・そ、んな・・・ふぁ、っ・・・あんっ」
「気持ち良いなら、素直にそう言えよ。その方がオレも嬉しいんだからよ」
グチュグチュ、とテイトの内部を掻き回すようにしてフラウは指を動かす。
テイトの足はガクガクと震え、その自身の先端からは止め処なく精液が滴り落ちており、そろそろ限界なのだということが分かる。
フラウもテイトの痴態に煽られて、今すぐにでもテイトの中にその熱い欲望を突き入れたい衝動に駆られていた。
「ふぁ、ん・・・っ、ふらう・・・」
「ん?」
「はぁ・・・も・・・いいから・・・っ」
「テイト?」
涙に濡れるテイトの顔を覗きこんだフラウは、その翡翠の瞳に映った自分自身の顔を見て、少しだけ苦笑を浮かべた。
本当に・・・どれだけこの少年に飢えているのだろうかと、思わずそんなことを思う。
テイトがほしくてほしくて堪らない。
それがありありと分かる、情欲に満ちた表情をしていた。
「フラウ・・・オレ、もう平気・・・だから・・・」
「テイト・・・」
「はぁ・・・っ、早く・・・きて・・・!」
「・・・ッ!!」
ぎゅう、と繋がった手に力を込めながら囁かれたそのテイトの言葉。それは、フラウの理性を弾けさせるには十分すぎるほどだった。
指を一気に引き抜かれ、それにすらテイトの身体はビクリッ、と過敏に反応した。
ひくついているテイトの濡れた後孔に、フラウは自らの熱を押し当てると、テイトの額に触れるだけのキスを与えた。
「テイト・・・力抜けよ」
「ぁ・・・う、ん」
どんなに熱に浮かされていても、互いを想う気持ちだけは決して薄れることはない。
それは身体だけではなく、なにより心も求めている証拠。
「ん、ぁ・・・ああッ!」
「くっ・・・」
フラウは自身の先端を埋め込み、ゆっくりと腰を進める。
いくら解かしたとはいえ、まだまだ子供の身体であるテイトのそこは、フラウの欲望を全て受け止めるにはやはりキツイ。
無意識に身体を強張らせてしまっているテイトの、その唇にキスをしたフラウは優しく口内を愛撫し、少しずつテイトの身体の強張りを解していく。
唇を離し、テイトが大きく息を吸い込んだその瞬間を狙って、フラウは一気に貫いた。
「ひッ、ああぁ――ッ!!」
途端にあがるテイトの悲鳴。だが、そこには苦痛はなく、どこまでも甘い声色。
目をぎゅっと閉じて、身体をビクビクと震えさせながら乱れた呼吸を繰り返すテイト。仰け反り空を仰いだ彼の顔に、木漏れ日が降り注いだ。
そっと目を開ければ、そこには微かな風に吹かれて揺れる木の葉たち。その自然の香りが鼻につき、視覚からも嗅覚からも、否応なしにここが野外であることをテイトに知らしめた。
「っ・・・あ、ふぁ・・・んッ」
恥ずかしい。誰かに見られでもしたら、どうしよう。
そんな考えがテイトの脳裏を過ぎる。だけど、不思議と止めてほしいとは思わなかった。
止めたいとは、思わなかった。
「テイト・・・痛いか?」
「いた、く・・・ない・・・・でも・・・」
そう、痛くはない。むしろ・・・
「は、ぁ・・・っ、気持ち・・・良すぎて・・・、ぁ・・・どうにか・・・なり、そぅ・・・」
「ッ・・・、お前なぁ・・・そんなこと言われたら・・・」
「? フラ・・・・ふあぁっ!!」
テイトの内部が慣れてくるまでじっとしていたフラウが、突然律動を始めたことで、テイトの口から抑え切れなかった甘い声があがる。
「あっ、あっ・・・そ、んな・・・いきなり・・・っ、んぁッ!」
「お前が煽るからだろ?・・・ったく・・・お前、可愛すぎ」
「ぇ、あ・・・はぁ、んっ・・・!」
テイトの内壁を押し広げるように強引に突き入れ、纏わり付くそれを擦りながらギリギリまで引く抜く。
互いに向き合ったままの、俗にいう対面座位の行為ではテイト自らの体重も相成って、より深くフラウ自身を奥まで受け入れることになる。
「繋がるなら・・・赤い糸なんかよりも、こっちのが断然良いよな」
「ん、なっ・・・さ、サイテー・・・!!」
「とか言って、お前も満更でもねえくせ・・・に!」
「ひあぁッ!!」
ニヤリと笑ってとんでもないことを言い出したフラウに抗議しようとしたテイトだったが、フラウの膨張した性器が再び後孔の奥深くまで突き入れられたことで、それも叶わなかった。
ぐちゅぐちゅ、と互いの精液が混ざり合い、淫らな水音が絶え間なく響く。それと同時にテイトの口からも喘ぎ声が零れ、フラウはその声にすら煽られて動きを激しくしていく。
「あっ、あっ・・・ふら、う・・・ッ!」
「は、ぁっ・・・・テイト・・・」
「ふらう・・・っ、ふらう・・・!」
息も絶え絶えになりながらも、テイトはフラウの名を何度も呼び続ける。それに応えるように、フラウも普段はあまり呼ぶことのない名を、熱い吐息と共にテイトの耳元で囁いた。
求め、求められ、互いに深く感じ合う。
手も、身体も、心も・・・魂すらも繋がるように。
「・・・っ、テイト・・・愛してる」
「ん・・・オレも・・・大好きだよ・・・フラウ」
溢れ出すその想いを、二人はキスと共に捧げ合った。
「あ・・・解けちゃってる」
日中、しかも野外だということにすら構うことなく行われた激しすぎる行為に、テイトは熱を解放すると同時に気を失ってしまった。
そうして目が覚めた時には、フラウの腕に優しく包み込まれていた。
乱れていた衣服は元通りに整えられていて、少しの違和感はあったが身体の汚れもフラウが拭きとってくれたらしく、それほど気にもならなかった。
そして、ふと自分の手に視線を落としたテイトは、その小指に巻きつけたはずの赤い糸が解けていることに気が付いたのだ。
「ん?あぁ、最中に解けちまったんだな」
「そう、だね」
「ま、あれだけ激しくヤってれば解けもするわな」
「・・・っ」
フラウのその言葉に、行為中の自分の乱れっぷりがリアルに脳裏に蘇り、テイトはその顔を真っ赤に染めた。
そんなテイトに小さく笑みを浮かべたフラウは、解けてしまい地に落ちていた赤い糸を拾い上げると、テイトの方へと差し出した。
「それで?どうすんだ、コレ?」
「え?」
「また結ぶのか?」
「あ・・・」
赤い糸とフラウの顔とを交互に見遣ってから、テイトはゆっくり首を横に振った。
「いらない・・・もう必要ないから」
「そっか」
そう、赤い糸などなくったって・・・二人はちゃんと繋がっている。
たとえ目に見えなくとも、それでも・・・。
「・・・あっ・・・」
不意に強い風が吹き、フラウの手にあった赤い糸が飛ばされた。
テイトは小さく声をあげたが、その瞬間にも赤い糸は風に流され、空へと高く舞い上がっていった。
完全に視界から見えなくなった赤い糸。今視界に広がっているのは、雲ひとつない青空。とても綺麗なそれは、テイトの一番好きな色。
だけど、その青空以上にテイトが大好きな、澄んだ『蒼』が・・・すぐ傍にある。
「テイト」
「・・・フラウ」
名を呼ばれ、振り向けば・・・そこにはテイトがなによりも愛おしいと思う蒼い瞳を持つ人が。
優しい笑みを浮かべて見つめてくれるフラウ。・・・それだけで、なんて穏やかな気持ちになれるんだろう。自然とテイトの表情もふわりと緩んだ。
互いの手をとり、きゅっと握りしめる。
そうしてどちらからともなく顔を寄せ、そっと触れるだけのキスを交わした。
繋いだその手を、決して放さない―――。
END
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Wing of Freedom
の如月蛍様から頂きました!!
如月さんの「なんでもリクエストどうぞ!」というお言葉に甘えて、
「甘ーい微エロなフラテイ」をリクエストさせていただきました!!^^
うぎゃあああーーー!!なんと!!なんとも素敵すぎるフラテイ!!はあはあ
甘いです!!もう、はちみつに砂糖をいっぱい足したくらい甘いですー!!!
もう、悶え過ぎてどうしていいか分かりません!!うひゃああーー!!
如月さん!素敵な小説をありがとうございましたー!!vv