好きな味は・・・
バンッ!!!
「ぅおっ!?・・・ってなんだテイトじゃねぇかそんな急いでどうしたん・・・ぐふぉっ!!!!」
勢い良くフラウの部屋に飛び込んできたのはテイトだった。
テイトはフラウの呼びかけに答えず、そのまま突進し胸倉を掴む。
廊下を走ってきたのだろう、少し息があがっている。
「フラウ!!ゼヘルにかわってくれ!!」
「はぁ・・・?いきなり何言って」
「いいから!!!」
必死なテイトの気迫に押されたのか
フラウは静かに目を瞑るとゼヘルに意識をわたそうとした。
「・・・仕方ねぇな・・・・でもその前に」
「んっ!?」
黙って従うのもつまらないので、仕返しに触れるだけのキスをした。
テイトは真っ赤になって反抗しようとしたが
次に目をあけた時にはその瞳は赤色に変化していたので
それは叶わなかった。
「・・・少年?珍しいな俺に何か用か?説教はこの間くらったばかりなんだが・・・」
また俺は何かしたのか?と問いかけてくるゼヘルにテイトは違うと首を振る。
「あ、のさ・・・この会話フラウには聞かれてないんだよな?」
不安そうに聞くテイトは少し眉をさげて上目使いで見てくる。
さっきフラウにキスをされたので、その目はやや涙目になっていて・・・
・・・・色々とやばい。
ゼヘルは先ほどの一言だけでテイトの用件がフラウに関することだと分かったし
ミカエル命なので変な気など起こさなかったが。
「あぁ、大丈夫だ。基本俺が出ている時の記憶はコイツに残らないからな。」
「そっか・・・」
ほ・・・と安心するテイトにゼヘルは微笑み、再度用件を聞いた
「で、何が聞きたい?」
「う、えーっとさ・・・」
恥ずかしいのか少し俯いて頬を赤く染めていたが
ぶんぶんと頭を振ってゼヘルに向き直り言いたいことを伝える。
「フラウの好きなケーキの味って何!?!?」
「・・・は?」
突拍子もないことを聞かれたのでさすがのゼヘルでも驚いた。
いや、ゼヘルだから驚いたのかもしれないが・・・
いきなりどうしたという顔をした目の前の人に、テイトは慌てて説明を始める。
「わりぃ!いきなりビックリしたよな。実は明日ハクレンとバウンドケーキってヤツを作ることになって、フラウにもプレゼントしたいからさ・・・それで何味が好きなのかなって思って聞きに来たんだ。」
「・・・なるほどなぁ〜?」
少々にやついた目で見れば顔を真っ赤にしてべ、べつに深い意味なんてないんだからなっ!!!!と反論してくる。
「へいへい。それにしても好きな味ねぇ・・・甘さ控えめがいいかもな。他は特にないと思うぜ?」
それを聞くとテイトはうーんと唸りはじめた
どうやらその答えだけでは満足できなかったらしい。
「もうちょっと具体的なのは・・・?」
「ない・・・とも言えなくはないな」
「な、何だっ!?!?」
キラキラと目を輝かせて見てくるテイトの頭に手を乗せゼヘルは答えた。
「少年の・・・テイトの作った料理なら何でも、とコイツなら答えるんじゃねぇか?」
「っ!!!・・・・・お前らって恥ずかしいことスラスラ言うよな・・・。」
恥ずかしくてテイトは赤くなるの隠すようにして俯く。
ボソッと洩らしたその言葉に対し、そうかぁ?と少しも恥ずかしくないという様子で答える。
ゼヘルは、あぁそれと・・・と思い出したようにポンと手を叩きテイトに言った。
「“バウンドケーキ”じゃなくて“パウンドケーキ”な。」
「なっ!! 先に言えよ!!!」
ケーキは跳ねねぇよなんてケラケラ笑いながら言うゼヘルにテイトはむくれる。
傍から見れば仲のいい兄弟のようだ。
「俺からもお願いがあるんだが・・・」
「何だ?ミカエルか?」
「あぁ。呼んでくれるか?」
「わかった。」
ゼヘルは折角出てきているのでミカエルにも会いたいようだ。
それを感じ取ったテイトは快く頼みを受け入れ、先ほどフラウがやったように目を閉じる。
再び目を開けたその瞳は鮮やかな緋色をしていた。
「私に何か用か?」
「・・・それは恋人に向かって言うセリフか?」
しれっとクールなミカエルにゼヘルは溜め息をつくしかない。
恋人なのにこんな扱いでいいのかと思う時がよくあるらしい・・・
それでも、なんだかんだ一緒にいるのは二人の愛の力だが。
「なるべく主には負担をかけたくないのだ。いつも言っているだろう。」
「わーってるよ」
「嘘だな。 理解しているなら私を呼ばなくてもいいだろう?」
「・・・はぁ」
ミカエルは正論をズバズバ言ってくるので言い返しようが無い。
だから必然的にゼヘルは溜め息をつくしかないのだ。
だがそれをよく思わなかったのか、ミカエルはそれを咎める。
「ゼヘルお前また溜め息をして、幸せが逃げるぞ。・・・まぁ所詮人間どもの戯言だ、がっ!?!?」
ぐいっといきなり強く引っ張られたので、さすがのミカエルもバランスを崩し
そのままゼヘルの腕の中に倒れ、抱き締められた。
「なにを・・・!!!」
「溜め息をつくと幸せが逃げるんだろ?だったらまた幸せを集めなきゃなぁ?」
ニヤリと笑うゼヘルを見て今度はミカエルが溜め息をつく。
「はぁ・・・もういい、好きにしろ。」
そういいながらも離れようとしないのはミカエルも嫌というわけではないようだ。
恋人が素直じゃないのは前からだが、たまにはもっと甘えてくれてもいいとゼヘルは思う。
まぁミカエルにしてみれば、これは十分甘えているのだが・・・
「素直じゃねぇな・・・」
「ゼヘル」
「ん?なん・・・・」
ちゅ、と可愛い音が聞こえた。
ミカエルがいきなりゼヘルにキスをしたのだ。
ゼヘルはビックリし、何でという視線をおくる。
「主が先ほどのゼヘルの行動にお返ししてやれと、だから仕返しだ。」
「〜〜〜っ!!」
してやったりという様な悪戯っ子の笑顔を浮かべ、ゼヘルを見る。
それに対しゼヘルは片手で顔を隠し、可愛すぎる恋人をどうしようかと考えていた。
「あぁそれと主のお許しで私も明日、ケーキを作ることになった・・・楽しみにしているがいい。」
この時ゼヘルは一生ミカエルには敵いそうにないなと思ったとか。
次の日何故かパウンドケーキが爆発して教会が大騒ぎになったとか、フラウの姿がしばらく見えなくなったなんていうのは、また別の話・・・・・
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地平線の向こう
の一威様から頂きました!!
なんと!!なななんと!!
一威さんが私のために斬瞳の小説を書いてくださいましたー!!
し・か・も!当サイトの設定で!!!
うひゃああーー!!もう感激ですー!!うああああーーー!!!!
フラテイ要素も入っていて、まさに2度美味しい!!
私幸せすぎますーー!!!><
一威さん!素敵な小説をありがとうございましたー!!vv